未来会議室ブログ

地方のミライに必要なこと

更新日:2017.01.28
The Kumamoto Future Times , トレンド

コワーキングスペース未来会議室
広報、ライター
工藤英揮

 


地方で生きる人間として以前から取り上げてきた『地方の未来のために必要なこと・地方創生』について、考えてみたいと思う。

地方創生とは、第2次安倍政権で掲げられた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である。(ローカルアベノミクス)
具体的な政策詳細については、内閣府地方創生推進事務局などに掲載がある。 Wikipediaより

では、なぜ国は『東京一極集中是正』『人口減少是正』『日本全体の活力を上げる』ことを必要とするのか。一つ一つをデータをもとに考察してみる。

 

人口減少



日本の人口は、昭和31年から平成13年にかけ、増加の一途を辿ってきた。特に、昭和43年からの増加率は著しい。最近何かと話題になっている「人口減少」問題ではあるが、2010年から人口減少の兆しは始まっている。人口減少は未曾有だとか、人口減少と経済の衰退はセットであるという話もあると思うが、事実はどうなのだろう。

結論から言うと、今回の人口減少は歴史上4度目である。つまり3度の人口停滞、人口減少を経験して現在の日本という国があるのだ。

 

東京一極集中


上記グラフでは東京都と熊本県の人口推移を表している。東京都の人口はこれまで継続的に増加しており、日本の人口が減少に転じた現在も増え続けている。一方、熊本の人口はというと緩やかにではあるものの、継続して減少している。つまり日本の人口増加は主に都市部に起因しており、”地方”の人口はこれまでも減少してきたのだ。

ではなぜ、”都市部”の人口は増え、”地方”の人口は減少するのだろうか。都市部の端的な特徴の一つとして、企業の数が多いということがあげられる。すなわち、利益と雇用を創出する”企業体”が多いということが、人を惹きつけると言える。地方の若者が「仕事がない、やりたいことがない」から都市部へ出て行くという風景が、全国的に継続的に発生し、地方で有効な対策を打ち出せなかった結果、東京一極集中という事態を引き起こしたと考えられる。

人口の増減について極論するならば、『利益を産み出すことのできる母体』が人口に直結していると言っても過言ではない。

日本全体の活力





上記グラフは国内総生産の推移である。GDP成長という面では80年代を最後に日本の経済は停滞していると言える。では経済と人口はどんな関係があるのだろう。ここでは、”需要”と”供給”、”市場(マーケット)”を絡めてシンプルに人口と経済について考えてみる。


人口増加社会においては、市場、マーケットは拡大し、人口減少社会ではその逆となる。つまり、人口と需要、市場は比例すると考えられる。人口増加社会においては、『需要>供給』(需要過多)となるため、供給側の企業が増える。逆に人口減少社会においては、『需要<供給』(供給過多)となるため、企業側の工夫が必要となる。では企業側の工夫とは具体的に何があるだろう。大きく分けて、2つあると考える。

一つ目は、需要を吸い上げること。それぞれの地域には数多くの潜在的課題が存在する。その課題から需要を吸い取り、少しづつ利益を生む供給(事業)を創っていくことだ。課題が多い地方だからこそ、ニーズのヒントが数多くあると捉え、積極的にチャレンジしていく姿勢が重要だ。

二つ目は、市場を広げること。日本国内でも、人口(市場)が拡大している地域もあるし、海外に目を向けると、市場にすることで供給を生み出すことができる。新規市場についてはしっかりとマーケティングのリサーチを行い、可能な範囲から少しずつ投資していく必要がある。

 

いずれの方法を取る場合も、収益性にこだわり、最初はスモールスタートベースで投資、事業化していくことだ。収益性がなければ継続することはできないので、この点は強調しておきたい。そしてあえて”投資”という言葉を多様しているが、衰退を避け、”地方を創生”するためには少なからず、これまで怠ってきたリスクをとるという選択をする必要がある。逆にいうと、地方の衰退はリスクテイカーの不在がもたらしていると言っても過言ではないのではないだろうか。

 

地方における企業は、そのほとんどが中小零細企業という意味では、地方に生き、地方を構成している個々人が主体性を持って地域の実態と向き合い、未来に対する小さな一歩を踏み出していくことでしか地方創生はなし得ないと考える。

強いて行政について言及するとすれば、一人でも多くの人がチャレンジしやすい仕組みづくりの政策こそが必要ではないだろうか。

熊本ではよく、「働きたい会社がない」という言葉を耳にする。自戒の念も込めて、地方のミライに必要なことをまとめると、リスクを取りながら、収益を上げていく事業体の存在こそが、地方の魅力に直結し、地域の未来にとって必要なことだと考える。

 

【参考資料】

地方創生大全|木下斉著

東洋経済ONLINE|木下斉

世界経済のネタ帳